マウントレーニアと先輩
昔、20歳前後のとき、レンタカーのバイトをしていた。
車に乗る仕事が、カッコイイなと思ってたから。
先輩
その時、カッコイイ先輩がいたんだ。
何でも器用にこなせてて。
昔の話では無茶苦茶してて。
でも、ひょうひょうとしてて。
いつも冷静で。
何でも余裕な感じ。
大人でカッコよかった。
すげえ人だなと思った。
大人
そんな先輩に憧れてた。
俺の足りない部分を持ってる。
そんな気がした。
先輩みたいになりたい。
そう思わせてくれる人は、初めてだったかも知れない。
追い付きたい。
そんな風に思ってた。
マウントレーニア
味がすごく好きだったんだ。
そんで、先輩は、「マウントレーニアのエスプレッソ」を飲んでるのを見かけた。
私には、まだ苦くて、エスプレッソは飲めなかった。
先輩みたいになりたい
ただ、先輩みたいになりたいな、と思ってた。
だから、たまにエスプレッソにチャレンジしていた。
やっぱ苦いけど。
大人な味がする。
我慢することも、大人な感じがした。
人のマネをするのは初めてかも知れない。
何にも近づけていないけど、近づけている気がした。
ブラック
今は、基本ブラックだ。
乳化剤なんか入ってると、イラッ!とする。
「ブラック無糖」とか書くんじゃねえ!と思う。
それぐらいブラックが良い。
でも、たまに思い出したかのように、「マウントレーニアのエスプレッソ」を飲む。
美味いんだ。
苦味が美味いんだ。
先輩みたいにはなれないけど、先輩みたいに美味いとは思えるようになった。
もう、「マウントレーニアのカフェラテ 」は甘すぎて飲めない。
コンビニのマウントレーニアを見る度に、そんなことを思い出す。
そんでは!
夜更かしされる方、おやすみ!
起きて読んで下さった人、おはよう!
お昼の方、おひるねして!